NEM Groupは3月17日、NEMプロジェクトが次世代NEMとして開発を進めていたパブリックブロックチェーン「Symbol」をローンチしたことを発表した。
コンセンサスアルゴリズムにPoS+(Proof-of-Stake+)を採用したエンタープライズグレードのプログラマビリティとセキュリティを誇るNEMのSymbolは、フィンテック、ヘルスケア、サプライチェーン関連など、革新的なプロジェクトで活用できる、最先端のブロックチェーン技術の提供を開始。ローンチに際し、新たなブロックチェーンネットワーク上での取引に使用されるネイティブ通貨である暗号資産(仮想通貨)XYM(ジム)が誕生する。
Symbolは相互運用可能なよう構築されており、パブリック/プライベートハイブリッドモデル、トラストレスなクロスチェーンスワップをサポートする。APIは既存のシステムやプロセスと容易に統合することが可能となる。
アトミック・クロスチェーン・スワップは、複数の異なるブロックチェーン間でのトラストレスなデータと価値の流れを可能にする。また、トークンを超えて、株式、署名、投票、非代替性トークン(NFT)、その他の資産を表現する特殊なデジタルアセットを作成することが可能だ。各アセットは設定可能なプロパティと識別子を持ち、プロトコルレベルでロジックベースのアカウントまたはアセットベースの制限を強制することができる。
これらの機能は「新しい経済活動」として、分散型金融(DeFi)、規制内の資産、セキュリティトークンオファリング(STO)といった分野で大きな可能性を秘めている。Symbolはすでにシンガポール金融管理局のレギュラトリーサンドボックス対象企業として資本市場業務を行うことのできる発行・保管プラットフォームであるPropineと提携している。
Symbolのローンチにより、NEMプロジェクトは従来のNEMと合わせて2つのブロックチェーンで構成されることになる。NEMはNIS1/ニスワンとして並行して運営される。
Symbolは、最初のPoI (Proof-of-Importance)ブロックチェーンの高度なセキュリティ機能の上に構築されており、オンチェーンのマルチシグアカウントを導入した最初のブロックチェーンとなる。この機能を拡張したSymbolは、オンチェーン、マルチレイヤー、マルチシグアカウントを導入した最初のパブリックブロックチェーン。この機能により、独自の共同署名者セットを持つマルチシグアカウントがマルチシグアカウントの共同署名者になることが可能になる。
これらの機能により、ユーザーは複雑な署名要件の作成を簡素化することができ、給与計算などのビジネスプロセスを合理化することができる。また、ハードウェアウォレットとオフライン署名をサポートし、高度なオンチェーンマルチシグのサポートと相まって、オペレーショナルセキュリティ(OpSec)を提供する。
Symbolの利点
Symbolの特徴は、ハイブリッドチェーン構造で、パブリックチェーンとプライベートチェーン両方の導入を可能にし、双方向にトラストレスなデータの流れをサポートする。これにより、開発者は特定のニーズに合わせて理想的なセットアップを選択することができる。
また、エンタープライズユーザーは、プライベートチェーン上に許可されたシステムを構築して機密情報を保存し、パブリックチェーンや他の許可されたチェーンとの通信を可能にすることができる。これにより、企業がデータを保存・共有する方法に柔軟性を持たせることができ、最適なソリューションを提供可能とする。